【出張報告】第30回日本医療保育学会学術集会 「その子らしさ」が輝く医療保育 ~学会30年 歩みを力に つながりを次の一歩へ~の参加報告
- 2026年08月12日
-
- 職員専用
はなのき放課後等デイサービス 生活支援員 橋本千晴
6月27、28日に徳島県の鳴門教育大学にて開催予定でしたが、残念ながら、台風の影響でオンライン開催となりました。基調講演に始まり、保育士の方々のシンポジウム、ワークショップ、一般演題計11本と盛りだくさんな内容でした。
医療保育専門士とは、入院中の子どもや病気の子ども、その家族の生活の質向上を支える医療保育学会が認定する専門資格です。2007年から研修会が始まり、2025年よりキャリアラダー制度が導入され、段階的にスキルアップを目指す仕組みへとリニューアルされました。2026年5月時点で登録者は133名です。
社会福祉法人びわこ学園の理事長である口分田政夫氏の基調講演では、機能的な“タテの発達”が停滞していたとしても、他者との関わりの中で相互関係や心が通い合い内面が充実する“横への発達”は無限であると、糸賀氏の「人と生まれて人間となる」という言葉と合わせてお話がありました。
シンポジウムでは、医療保育士ができた経過や保育士としての役割、多職種連携についてなどを様々な経験年数の方々からのお話がありました。医療保育士は子どもにとっての生活を支え、苦痛や不安を和らげる、子ども主体の医療を目指す役割があります。一方で、周囲への認知がまだ低く、人員配置や枠組み、評価指標が十分でないなどの課題もあるということでした。
一般演題では、各施設での取り組みを紹介されていました。キワニスドール(目鼻のない真っ白な布製の人形)を使った不安軽減、病児保育、インクルーシブ保育、発達障害と読解力、ペアレントトレーニング実践など様々なテーマがあり、どれも興味深かったです。印象的だったのが、プレパレーションとディストラクションの事例です。おもちゃなどの物品や絵カードなどの方法で、処置の内容や見通しを伝えることで落ち着いて検査に取り組めたそうです。遊びの中での関りから、その時に使っていた人形や動画などを使って流れを説明したり、待ち時間の過ごし方を子ども自身に選んでもらったりすることで、過去にパニックがあったMRI検査を落ち着いて受けることができたということでした。
ワークショップは、“改めて、子どもにとっての「あそび」を考える”というテーマでした。幼児教育とは何か、子どもの発達段階に合わせた遊びや介入の方法、タイミングなど、映像も交えて説明があり、分かりやすかったです。もう1題は事前アンケートも踏まえての多職種連携がテーマでした。医療・福祉・教育現場では、多様な職種で子どもや家族を支えています。各専門職がストレングスを出し合うことがより良いチームに繋がります。保育士は子どもや家族にとって身近な存在であり、医療者には知りえない気付きや時間をかけた丁寧な関わり、子どもの情緒安定を図ることなどが求められているということでした。
花ノ木でも殆どの部署が多職種で連携しながら仕事をしています。自分がどの職種であっても、職種によって視点や考え方が違うことを踏まえ、相手を尊重し相手の意見に耳を傾けるとともに、自分の専門性に自信を持って発信することが、良いチーム作りには不可欠であると再認識することができました。