【出張報告】令和8年度全国知的障害関係施設長等会議への参加報告
- 2026年07月28日
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- 職員専用
花ノ木在宅支援センター センター長 内田和彦
日本知的障害者福祉協会(以下、知福協)が主催する標題の会議が、7月9日、10日に東京国際フォーラムで開催されました。参加目的は令和9年度の報酬改定に向けた情報を収集するためです。ちなみに、知福協は非常に大きな組織で会員数は令和8年度4月現在で6,550施設となり、花ノ木では、はなのき通所が在籍しています。尚、当会議の参加登録者数は1760名と発表されています。
厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課長より行政説明があり抜粋して報告します。
令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた議論の焦点として、一つ目は制度の持続可能性を脅かす急激な予算増への対策です。自立支援法施行からの19年間で予算額は4.5倍に膨らみ、特に令和5年度から令和6年度改定後は総費用額が12.1%増と急増しています。中でも「就労継続支援B型(20.1%)」「施設入所支援(16.5%)」「放課後等デイサービス(14.9%)」の伸びが顕著であり、背景には新規参入による事業所の増加(営利企業)、利用者数の伸び、1人当たり費用の増加があります。こうした現状を踏まえ、持続可能な制度に向けた課題と対処方針のとりまとめが求められています。
次に、通常の3年周期とは異なる令和8年度障害福祉サービス報酬改定「臨時応急的な見直し」について、収支差率が高く、かつ、事業所が急増しているサービス類型(就労支援B型、共同生活援助、児童発達支援、放課後等デイサービス)については、それぞれの収支差率に応じて、新規事業所に限り応急的な報酬単価(減額)等を適用しています。尚、特にニーズの高い強度行動障害や医療的ケアを要する児者などについては、応急的な報酬単価の適用対象外として従前の報酬単価を適用するとなっています。近年、障害福祉サービスの実績や経験が少ない事業所の参入が多く見受けられ、障害特性や障害程度を踏まえた支援が適切に提供されないといった支援の質の低下が指摘されている中、新規事業所の指定の在り方や運営指導等による質の確保などが課題として挙げられています。
シンポジウムでは、各団体パネリストから令和9年度報酬改定への要望について説明がありました。その要望内容から、令和8年度の「臨時応急的な見直し」を、そのまま令和9年度からの報酬水準の引き下げにつなげることなく、運営実態と支援の質を踏まえた検証をすること、障害福祉分野と全産業と遜色ない賃金格差の解消、人件費や物価の上昇が毎年報酬に反映される仕組みの導入、報酬・営利のみを目的として不適切な運営を行う事業所の参入が相次いでいるため、新規事業所の指定の適正化、監査・運営指導の徹底などが挙げられていました。
会議内容を振返ると、特に就労系や共同生活援助について、不適切な運営を行う事業所への厳格な対応が強調されていました。令和9年度の障害福祉サービス等報酬改定においては、「臨時応急的な見直し」と同様に、新規事業所(就労系・共同生活援助)の報酬引き下げや新規事業所開設の抑制が懸念されます。さらに、厚生労働省は「集団・運営指導および監査に関するマニュアル」を策定し、効果的かつ効率的な運営指導を通じて指導と監査を強化する方針を示しています。障害分野における社会保障費の急増に伴い、令和9年度の報酬改定では報酬額全体の上昇率抑制が予想されます。その一方で、強度行動障害や医療的ケアについては「従前の報酬単価を適用」とされており、注目する点だと思います。
最後に、今回の会議は初めての参加であり、法人としてもこれまでほとんど参加実績がありませんでした。実際に参加して、知福協が在宅支援をはじめ、幅広い分野の情報収集が行える非常に有意義な場であること、また、その大きな組織規模ゆえに業界全体の意見や動向に対して強い影響力を持つことを肌で感じました。次回以降は、若手職員はじめ他の職員にもぜひ参加してもらい、貴重な学びの場にしたいと考えております。なお、研修後に目にした東京駅の夜景に大変癒やされました。

